夏に見た豊かな森の冬の姿を見たくて、ここまで来たものの、たとえ4輪駆動車でも、この深い雪の林道をこれ以上進むことは出来ない。 細かい雪が舞う中、カメラをジャケットの中に隠しながら、フードを深々と被って徒歩で行けるところまで行こう。 そう勢い良く車を出たのはいいが、思うほど自然は優しくはなかった。 どこからどこまでが道なのか、橋なのか・・・。 豊かな海産物を育む若狭の海原。 それは豊かな山の存在があるから、という。 今、足元に流れるこの小さな河が、 たいせつなものを運ぶ重要なパイプであることを忘れてはならない。 立っているのも辛いこの深い森で、 今日も絶え間なく流れ続ける河の姿に、 大地が生きていることを感じたのだった。